ペスト医師とアロマ

新型コロナウィルスと同じ感染病である『ペスト』は、中世１７世紀の
ヨーロッパで大流行し、多くの人々の命が奪われました。当時ペスト患者を専門的に治療した医師は、ペスト（黒死病）が蔓延した、各都市から特別に雇用された者たちでした。

ペストがどのように広まって、人の体を蝕んでいくかについては、おもに二つの説が考えられていました。

①血液など体の体液が原因とされた四体液説。

②人は悪い空気のせいで病気になるという瘴気（しょうき）説でした。

ペスト医師は、この瘴気対策として鳥のくちばしの様なマスクを装着し、できるだけ肌を露出させないよう全身を覆い表面に蝋を引いたガウンとつば広帽子という異様な服装をしていました。

ホラー映画に登場しそうな格好ですが、マスクの口ばしの中にはハーブや香料を入れて空気を清浄にする工夫がしてあったようです。
概してペスト医者になることは喜ばしいことではなく、非常に辛く危険な仕事であり、ペストが大流行した時代に彼らが生き残る可能性はほんの僅かなものでした。

彼らの仕事にペストを食い止める効果がどのくらいあったかは定かで
ありませんが多くの人々にとっては心の救いになったのかもしれません。

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